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僕らが学者になる理由

 バイトの後輩からのメールで,僕が5年かけて本社の社員を説得し,少しずつ修正してきた「あるもの」が,一振りで壊されたことを知りました。最後はやっぱり会社の「論理」か,と。
 論理的に,実例を示して,「ね,これはおかしいでしょ?」。文章を送ったり,会議のときには直接話したりして説得してきました。相手はロクに反論できなかったのですが,論理的に正しかろうが間違っていようが,結局は権限もってる人の考えが通っちゃうんですよね。

 世の中そんなもんだし,特に会社組織なんてそれが顕著だろう。いかに論理的に優れていようと,それが決定的なものになるわけではない,ということをバイト在籍中に悟りました。2年か3年ぐらいはまだ「俺が正しいんだ!」という気持ちが強かったんですが,その後はその気持ちを抑えて,自分の論理と会社の「論理」とのバランスをとってました。現場ではそれなりの立場にいたんで,自分の主張ばっかしてるわけにはいかなかったですしね。

 そんな経験から,企業に就職すればたぶん一生そういう状況なんだろな,と気づきました。バイトなら一時的なものと割り切れたんですが,一生やる仕事ではたぶん我慢できない(友人にもこの意味で「お前には向いてない」と言われました)。「踊る大捜査線」の室井みたいに自分の考えを実現するために出世する,という手もあるんでしょうが,出世するまでに何年かかるかわからないですし。

 そんなら初めから論理で優劣のつく仕事をやりたい,そう考えて研究者を目指すことを決めました。研究者なら,もちろん学内行政など論理が通じない仕事もたくさんありますが,少なくとも本業の研究では論理で優劣が決まります。古くからの徒弟制度が残ってる分野なら研究でもそうはいかないらしいですが,うちの分野ではそういうこともほとんどないですし,少なくともうちの指導教員は封建制の真逆をいく人なので,大丈夫と。

 実は,論理が通用しないことを教えてくれたのがこのバイトなら,論理が通用することの楽しさを教えてくれたのもこのバイトなんです。少なくとも僕が最も専門にしていた仕事の範囲では,論理で勝負ができ,それが評価されたのでね。それだけに今回,その範囲までも会社の「論理」で潰されたのはショックでした。
書いた人 うきょー | comments(0) | - |




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