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大学院教育を考える

 「授業ボイコット」は結局免れまして。

 ま,簡単に言えば,僕もまだまだ青いな,と実感しました。どうにもならないことは世の中にいっぱいあるんだと。そこでキレてやめてしまうのではなく,それを所与のものとして,そこからどう変えていくかを考えなければいけないのだなと。
 その先生もその状況に対していつもボヤいていたらしいです。で,僕の気持ちは分かるけども,もっとゆったりと構えろ,と諭されました。さらに,先生が参加者に発言を促したりして,ゼミでの議論をうまくコントロールすることによって,いい方向にいくようになりました。

 そのゼミでの問題は以上のように一応解決しそうです。しかし,大学院全体として発言が少ないことには変わりない,これをどうしたもんかと指導教員と小一時間話し合ってみました。曰く「君も今は大学院教育サービスの受け手やけど,数年後には逆の立場に回るんやから,考えるのは大事やな。しかも,はじめはどんな大学に行くか分からんから,ここよりもひどい確率が高いし」。たしかに。しかも僕の場合は一番いいところに行ったとしても,出身大学であるうちの大学止まりですからね。

 僕が提案して,先生が「それ来年から使ってみるわ」と納得したのは,とりあえず学生に必ず一言コメントを言わせるという手法。僕が3回生のときのゼミの先生がやってたもので,どんなに消極的な学生でもゼミで一回は喋ることができる,というもの。留学生が多く,語学が苦手だと発言しなくなってしまうという事情のあるアメリカの大学院では一般的な手法らしいです。先生曰く,学生から出た全部のコメントをその場で組み立てて時間内に消化するのは難しいけど,そこが教員の腕の見せ所だと。

 大学院がこんな状況なのは,ひとえに文部科学省のせいなんですがね。少子化により学生の数が減ってくる→省の予算が減る→大学院教育を重点化して,長く教育を受けるようにすれば予算減は逃れられる→大学院の定員多くなる→本来大学院に入学できないような人まで来る→質の低下,という論理。

 ロースクールも同じようなもんですわ。従来の司法試験では試験一発勝負だから(正確にはマーク式→論文→口述と3回),本当に法曹になるべき人間が合格できないのではないか,という奇麗事を盾に,結局法曹になる資質のないような人まで大量に合格させてしまう。弁護士の仕事というのも市場原理で動いてるため,優秀な人にはたくさん仕事が来るけど,そうでない人には仕事が来ない。弁護士が増えたからといって,訴訟件数は増えないですから。結局生み出されるのは大量の高学歴ニート。

 ちなみにロースクールを卒業すると,「法務博士」という学位が与えられます。博士なんですよ。ますます大量の博士号取得者が生み出されるのですな。はぁ(参考:「博士が100にんいるむら」)。
書いた人 うきょー | comments(0) | trackbacks(0) |




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