一部で大好評(?)「何かに似ている」コーナー。
研究と料理は似ています。ただし,とりあえず僕の専門である社会科学に話を絞ります(他分野はさっぱり分からないので)。
論文はレシピです。すなわち,こんな素材をこのように料理すれば,こんな美味しいものができます,ということを他の人に伝える手段です。
研究者はプロの調理師です。調理の方法には色々あって,凝った調理法を極めるフランス料理のシェフもいれば,最低限しか手を入れずに素材の良さを生かす技術をもつ和食の板前のような人もいます。
同じ肉,同じ魚を使っても,調理師や調理法が違えば全く別の料理ができあがります。「こんな味にしたい」という目標を作れば,その目標に到達するためにどっちの調理法が優れているか,という点で優劣はつけられますが,単にフランス料理と日本料理のどちらが優れているかという比較はできません。